12.03.2009

芸術の国際交流における「成果」についてしつこく考える

文化庁が、芸術の国際交流において求める成果を「芸術水準の向上」と表現していますが、他の分野を参考に、こういうモデルを「芸術水準」と言うべきかどうか、考えてみました。
例えば、教育で、OECDが実施したPISAという加盟国の共通の学力調査で日本は何位だったとか、科学で、ノーベル賞の各国の受賞者数を比べて日本は何番目だったとか、スポーツで、オリンピックのメダルの数を比べて日本は何位だったとか、そういう比較による「水準」というのは、あるといやああります。でも、芸術に関しては、どうでしょうね。
ときどき、音楽、バレエ、映画なんかで国際的なコンクールやコンペで日本人が入賞するとメディアが騒いだりします。じゃあ、そういう国際コンクールやコンペの入賞者数を足し合わせた国際比較が、国の「芸術水準」になるのか。まぁそういう水準もあってもいいかもしれないけれども、国際的なコンクールのある分野は限られていし、おそらく、コンクールやコンペに参加する人は、日本を代表しているという意識は毛頭ないと思うんです(案外あるのかな?あるんだったらすみません)。それを国の芸術水準と言うのはいかがなものか、と思ったり。
もし、国際的なコンクールやコンペの入賞者の数を比べたら、おそらくですけれども、日本はそんなに悪くないポジションなんじゃないかと思うんです。海外の比較においてもそうだし、国の文化予算と入賞者数の関係を見たら、こんなに少ない予算で、よくぞこれだけ入賞者がいるなぁ、これなら国が支援しなくていいんじゃないの、という話になると思うんです。でも、私たち国民は、日本の芸術水準が高いとは、決して思っていないでしょう。
じゃあ、芸術水準って一体何なんだ?

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