12.01.2009

芸術の国際交流における「成果」って何だ?

12月7日に開催するフォーラムのテーマである、芸術の国際交流における「成果」とは何かについて、自分の経験に照らし合わせて考えてみようと思います。
私が当事者として語れる体験は3つあって、1つ目はオペラシアターこんにゃく座の2003年のアジアツアーに同行して記録ビデオを撮影・編集したこと。2つ目は、自分自身2003-04年にが文化庁の新進芸術家等海外研修制度でアメリカ・シアトル近郊の劇場で研修したこと。3つ目は、パートナーの手塚夏子が2006年にオーストラリアでのレジデンス、2007年にベルリン、ポーランドのフェスティバルに同行したこと。3つとも、国際交流の主体も、目的も、内容も違います。とうてい「成果はこれです」と一言では言えません。
ただし、たぶん共通して「成果」だと思えることは、結局、自分自身の変化=before/afterを公開できるか、ということです。未知の場所・事柄・人と出会って自分自身が変化し、その変化を日本に持ち帰って伝えている、ということが、私の経験での「成果」だと思います。
海外に行って公演して、数百人、数千人の観客に見てもらうことや、どんな批評が何件メディアに載ったのか、といった外部に現れやすいことは、「成果」には違いないとは思います。が、それは海外での出来事で、即時的には現れるかもしれないけれども、持続的に変化や影響を与え続けるのは、海外に行った当事者が日本に帰ってきて、あるいは再び海外に行って、自分がどのように変化した(変化し続けている)のかを伝え続けていくことにあるような気がします。その方が、長い目で見て日本の国益なんじゃないかと。
芸術の国際交流の成果とは何かを考えるときに、海外における現地での成果だけでなく、当事者のbefore/afterによる成果や帰国後のフィードバックによる成果についても測っていく必要があると思います。

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