7.08.2009

森林保全や農業に働きかける漁師達

「大阪市此花区」という地名をウェブ上のニュースで目にして、たしか去年の冬に、美術家の淺井裕介くんが作品を制作していた場所で、その後、藤浩志さんが「此花アーツファーム」というプロジェクトを展開していた場所だったなぁと思い、藤さんのブログにアクセスしてみました。そしたら、こんな文章に巡り会えました。
今回のプロジェクトは政岡土地という此花区で数世代にわたり多くの土地を引き継いできた人格が、自分の地域をどうにかしたいという切実な思いから発生している。
この複雑に歪んだ構造の今の時代に珍しいほど、ある意味健全でストレートな実験。
魚が獲れなくなった漁場の水質を憂いて、漁師達が森林保全活動に力を注いだり、漁場に繋がる河川の流域の農薬を多用する農業のあり方に対して働きかけを行う活動に似ている。
それに対して僕は「此花アーツファーム」という構想をぶつけてみた。
地域住民が想像力と創発力をみにつけるために必要な因子と回路が結果として発生するような仕組み。
次の時代の都市生活を楽しむ創造生活圏として・・・。
私は、「魚が獲れなくなった漁場の水質を憂いて、漁師達が森林保全活動に力を注いだり、漁場に繋がる河川の流域の農薬を多用する農業のあり方に対して働きかけを行う活動に似ている」という部分に、すごく共感します。
昨夜、寝るときにラジオをつけていたら、此花区の事件について報じていました。インタビューを受けた人が、容疑者について「近所に住んでいたけどまったく関わったことがない」と言っていたのを聞いて、じゃあ今のインタビューに答えた人は近所の人とすごく関わって生活しているのか?多かれ少なかれ、関わりを避けて生活している人がほとんどじゃないのか?と思いました。
そしてニュースの最後に、犯罪心理学か何かが専門の、何とか大学の名誉教授が、犯人に対して「我慢が足りない」と言っていました。
この名誉教授には、たぶん漁師達が森林保全や農業に働きかける発想は、まったく理解できないだろうし、此花アーツファームでやってきた、あるいはやろうとしてきたことも、まったく理解しないだろうと思いました。
でも、あきらめてはいけないような気がします。

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