3.23.2009

のびるっこ保育園

昨日の日曜日、4歳の息子が通っている「のびるっこ保育園」の卒園式がありました。息子はまだ卒園ではなくて4月から年中組なんですが、この保育園の卒園式には、前から行きたかったので家族全員で出席しました。
卒園する子どもは3人。卒園式が始まって間もなく、卒園証書の授与。名前を呼ばれた子は大きな声で返事して、背筋を伸ばして両手で証書を受け取り、そのまま高々と両手で、まっすぐに頭の上に証書を掲げて参列者に見せながら、会場内を一周、ゆっくりと歩いてくれます。この誇り高い姿を見るだけで、その子の親ではなくても、感動して涙。そして先生から、その子が入園してから今日まで、どんな成長があったのか、短いけれども心のこもった温かい言葉が読み上げられます。また涙。
証書の授与が終わると、卒園生一人ひとりと先生も一緒に、リズム体操とか、跳び箱とか、コマ回しとかを披露してくれます。これが、参列者が見ている前で、子どもが納得のいくまでやるんです。コマ回しでは、失敗する子がいても、その子が回すのに成功するまで、何度もヒモを巻き直してコマを投げて、それを参列者は見守るんです。跳び箱では、跳ぶのに成功しても、もう一回跳びたいと言えば何度も跳んで、それを参列者は見守ります。のびるっこ保育園の運動会も同じで、基本的に子どもたちに順位や時間を競わせるということはなく、子どもの年齢に合わせた障害物競走のようなものに、一人ひとりが納得いくまでチャレンジする、ということを、みんなで応援します。
卒園式が終わって、園児と園児の親たちと先生たちと一緒に、お弁当を食べました。最後に、園児の親が一言ずつ感想を言いました。それを聞いて、また涙が出そうになったりしました。本当にみんな、のびるっこ保育園のおかげで心が繋がって、地域が繋がっているんだなぁということが、よく分かりました。
「教育に地域力を!」とか「地域に開かれた教育を!」というスローガンを教育行政の施策で見かけることはあるんですが、国や自治体が上からそういうことを言うのではなくて(のびるっこ保育園はNPOが母体の事業です)、直接関わっている先生、保護者、そこに住む人々が、一緒になって子どもを見守ることができれば、結果として、教育に地域力が活かされるということになっているんだろうなぁと思いました。それと「見守る」というのは、「パトロール」とか「注意」という行為じゃなくて、「愛情」なんだなぁと思いました。子どもが、地域の人々に愛情を持って見守られているかどうかが、その子が大人になったときに、地域を愛せるかどうか、子どもを愛せるかどうかに多大に影響すると思うんです。
たぶん、のびるっこ保育園に来た人は、子育てをするならここがいい、と多くの人が思うだろうと思います。私は、自分が受けてきた教育と比べても、現在、息子が受けている教育に勝るものを知らないし、私が、のびるっこ保育園に通いたいくらいです。息子には、15歳くらいまではのびるっこ保育園に通うように提案したんですが、やっぱり却下されました。あと2年しか息子が保育園にいられないのが残念です。

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