1.06.2009

タイからのお客さん

年末に、タイ出身の女性アーティストのKoppさん(ゴップさんと発音するそうです)が、ウチの床の間レジデンスで1泊してくれました。
Koppさんはタイのチェンマイから来られたんですが、この半年間ほど東京に滞在し、日本の文化政策、具体的には都市政策へのアートの活用を研究しているそうです(たぶん)。たまたま、手塚夏子が世田谷パブリックシアターで行ったワークショップを見学してくれて、何かしら興味を持ってくれたそうで、お互いゆっくり話したいということでウチに遊びに来てくれました。
Koppさんは英語がとても上手で、私の拙い英語でどこまで正確に情報を伝達できていたのかは分からないんですが、山を散策したり温泉に行ったり食べたり飲んだりしつつ、とにかくたくさん話をして、楽しく過ごしました。
彼女のアーティストとしての活動は一言では言えないのですが、基本的には演劇の演出家のようです。また、野田秀樹の作・演出の「赤鬼(タイヴァージョン)」で役者として出演したり、日本を含めたアジア数カ国の共同製作の演劇作品の戯曲の共同執筆をした経験もあるとのことでした。
彼女の姿勢で一貫しているのは、アート活動を通して社会と向き合っていることで、例えばフリー・チベットの運動、メコン川流域の環境保全、チェンマイの伝統的景観の保全などなど、様々な表現手段や様々なアーティストとのコラボレーションで関わっています。
アジアのアートシーンやアーティストが紹介される機会は増えましたが、その作品や作家をめぐる社会的な背景にも目を向けることが、より深い理解に繋がることを実感しました。同時に、日本のアーティストがアジアと関係を持つときに、社会と対峙する姿勢だとか、作品への投影のあり方を問われるだろうと。
いろんな意味で、Koppさんは、たくましいと思いました。うん、彼女はたくましいアーティストです。

-----------------
sent from W-ZERO3

0 件のコメント:

archive