11.12.2008

息子のママゴト(不条理ミュージカル)

先日、仕事の関係で、劇作家で演出家の平田オリザさんとお会いして話を伺ったとき、面白い話を聞きました。
最近の保育園児は、「ごっこ遊び」をしなくなったという話で、保育園でママゴトをしようとしても、とくにお母さん役をする子がいないそうです。なので、保母さんが「みんなでママゴトをしましょう」と呼びかけるときは、事前に、園児の中でもリーダーシップのありそうな子どもに「○○ちゃん、お母さん役をお願いね」と、こっそりと事前交渉が必要なんだそうです。
「ごっこ遊び」が流行らなくなった要因はいろいろ言われているようですが、とにかく、演劇体験が幼児期から失われつつある、という話を平田さんから伺いました。
ところで、うちの4歳の息子ですが、日本の平均的な幼児とは違ってママゴトが大好きです。
ウチで、お店屋さんごっこをするときは、私もお客さんか店員のどちらかをしなければなりませんが、息子は調子にのってくると、1人2役をやって、どんどん芝居が進行しています。ストーリーやシチュエーションはちっとも分からないし、意味不明な歌、絶叫、爆音も挿入される不条理劇、いや、不条理ミュージカルというか。それが始まると、私もカミさんも、安心して家事ができるわけです。
昨日の夜、夕飯を用意しているあいだ、息子は1人で不条理ミュージカルを上演していたんですが、息子がテーブルだと想定しているオモチャの上に、お皿とか料理として想定されたいろんなオモチャが並べられていたんです。それを見て私は、お、結構センスのいいレイアウトじゃないかと思って、いいねぇ、料理の並べ方がとっても上手だねぇと誉めたんです。
そしたらその後、息子の興味は不条理ミュージカルからインスタレーションに移ったらしく、オモチャを積み上げたり並べては、私やカミさんに「みてみて」という。そのたびに、うわーすごいねぇとか、かなりイケてるねぇとか言っていたら、6畳の和室で夕飯を食べる円卓の隣に、ワケの分からない造形が積み上げられている。さっきまで親が誉めてたものだから、とっとと片付けろとは言いにくいし、強制撤去なんかしたら、息子は猛烈に怒るだろうし・・・。
多かれ少なかれ、家庭にアートを実践する人がいるということは、そういう困難を乗り越えなければならないんでしょう。

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