10.30.2008

豊かさとは「心」より「物」が優先するものなのか?

総務省が定期的に実施する世論調査に、「国民生活に関する世論調査」というものがあります。その調査の中に、「これからは心の豊かさか,まだ物の豊かさか」という設問があります。以下は、今年発表されたの調査結果。
「今後の生活において,心の豊かさか,物の豊かさかについて聞いたところ,『物質的にある程度豊かになったので,これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい』と答えた者の割合が62.6%,『まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい』と答えた者の割合が30.2%となっている」
とあります。
この調査を読むたびに、ふつふつと怒りを感じるんです。そもそも、豊かさを「物」と「心」に分けて比較するということが、すごく変でしょ。それに、どう読んでもこの設問は、「人間とは、物質的な豊かさが実現しないことには、心の豊かさやゆとりある生活を求めたりしない」という前提。調査票の選択肢を見ると、

・物質的にある程度豊かになったので,これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい
・まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい
・どちらともいえない
・わからない

となっている。おかしい。絶対におかしい。私だったら、

・心の豊かさやゆとりのある生活はある程度実現したので、これからは物質的な面で生活を豊かに重きをおきたい
・まだまだ心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい

という選択肢も用意しますよ。そうでしょ?ええ、私は堂々と「まだまだ心の豊かさ」に○をつけますよ。いや、◎つけてやる。逆に、「まだまだ物質的な豊かさ」を選択する人は、経済的に困難な人だとは限らないわけで、むしろ経済的に恵まれた人も、「まだまだ物がぼしい」と思ってたりするかもしれない。そんな人がどんどん増えて、金が金を生む経済が膨らんで、あるとき泡がはじけたりするわけでしょ。違うかな?違ってたらすみません。
・・・えー、つまり、何が言いたいかというとですね。
「心の豊かさは、物の豊かさがあってこそ成立する」という思い込みって、クーポン券をあげれば、国民のみなさんも多少は豊かになってくれるでしょ、みたいな発想に繋がっているような気がしてならないんです。それを政府が本気で実行しようとすること自体が、とっても貧困だと感じるんです、私は。
まぁ、クーポン券くれるって言うなら、もらってあげないわけじゃないけどさ・・・

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