2.29.2008

鳥の劇場−社会と芸術活動の関係の新しいモデルを求めて

鳥取県で「鳥の劇場」という廃校を活用した小さな劇場を主宰する中島諒人さんに、昨年、東京大学文化資源学公開講座「市民社会再生」でお話を伺いました。ごくごく短い言葉でいえば、それはまるで理想の劇場だと、私は思いました。言い換えれば、この日本で「理想」が見えている劇場は、本当に少ないとも思うのです。
もちろん、理想と現実は背中合わせにあるものです。昨日、その「鳥の劇場」が困難な状況にあるというニュースを知りました。
今朝、私は中島さんに、がんばってください、応援しています、という趣旨のメールを送ったところ、すぐに御礼の返信をくれて、以下のようなメッセージをいただきました。中島さん本人に了解をもらいましたので、転記させていただきます。
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私としては、この事態を単純に「お金が必要だ、1000万集めたいんです。」というキャンペーンにするつもりはありません。
日本の社会(地方だけでなく東京も)で、非商業的な芸術活動についてその存在意義を社会がどのように評価し、それをどうやって支えていくかについて、大きな議論の輪を作れたらと考えています。
その議論は、例えば行政だけをせめるとかいうのではなくて、社会と芸術活動の関係の新しいモデルを創るための前向きで楽しい、それこそ創造的なものに出来たらと思っています。もちろん事態はかなりひっ迫してはいるのですが。
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実は、上記のメッセージをブログで紹介してもよいかどうか確認したところ、「あまり大げさでなくやっていただけると嬉しいです。どうもお金の話は扇情的になってしまう傾向があって」という返信をもらいました。
扇情的にならないことの方が難しいのですが、どうか、このブログを読まれた方も、「非商業的な芸術活動についてその存在意義を社会がどのように評価し、それをどうやって支えていくか」について、考えてみてください。

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