山極寿一氏による「暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る」(日本放送出版協会 2007/12)を読みました。著者はサルやゴリラを研究されている京都大学大学院の教授でいらっしゃいます。
つねづね私の関心は芸術や文化という領域にあるんですが、サルやゴリラの生態から、こんなに知的な刺激を受けるということに自分でも驚きました。豊富な研究事例を解説されていて、一言でサルやゴリラといってもホントに多様な種があることも驚きますが、最後まで読むと、ヒトという奇妙な種も多様な種のひとつであり、類人猿から社会性を受け継いで、固有の生態を持つに至ったということが、よくわかります。
なぜヒトは家族を形成して、共同体を形成して、歌をうたい、踊るようになったのか。そして、なぜ暴力が生まれ、戦争が生まれるのか。考えてみれば不思議なことです。もし知りたければ、ぜひ読んでみてください。
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