1.09.2008

女性アーティストの出産と子育て

私のパートナーの手塚夏子の友人で、関西出身のコンテンポラリーダンスのダンサー・振付家で、2年前(3年前かな?)に結婚し、昨年出産した友人がいます。たまたま仕事で彼女が東京に来るというので、藤野の私たちの家に一泊してもらいました。彼女は、出産の直前まで踊り、出産して間もなく活動を再開するパワフルなアーティストで、多くの場合は授乳期の息子を連れて仕事に行くそうです。今回も7ヶ月の息子とともに来てくれました。
手塚も、出産を経験し、子育てをしながらダンス活動を続けていますから、出産と子育てと活動の両立がどのくらいしんどいかが分かっています。なので今回、友人が東京で仕事をしている半日間、手塚は友人の息子の面倒を見ました。
思い出せば、手塚夏子の妊娠が分かったとき、周囲には「せっかくダンサーとしてのキャリアがこれからという時期なのに……」という声がありました。それはある意味で手塚に対する期待や評価も含まれてはいるんですが、私たちは、出産や子育てが女性アーティストのキャリアの障壁になるという状況や、それが当然だという認識はおかしいと思ったわけです。むしろ、出産や子育ての経験が、アーティストの財産になり、芸術活動が持続可能になり、文化が成熟し、活性化するものであってほしい。アートだけじゃなくて世の中の仕事全体がそうだと思いますが。
そのとき、例えばアーティストであれば、アーティスト同士が互恵的な関係をどれだけ構築できるか、ということを切実に感じているわけです。それは、アーティスト自身が自発的にコミュニティを築いていく必要があると思います。もちろんネットワークを仲介するコーディネーターやサービスオーガニゼーションも重要ですが、アーティスト同士だからこそ共有できる悩み、問題、解決方法があるはずだからです。

0 件のコメント:

archive