5.26.2010

多様性って何だ?

生物の多様性にしても、文化の多様性にしても、「多様性」という言葉が意味することは、文字通り「いろいろある」ということには違いないと思うんです。が、単にいろいろある、ということだけで多様性を担保していることになるんだろうか、と、ふと考えました。
たまたま地下鉄に乗ったら車内広告で、よく見かける学習塾の広告に、中学の入試問題が目に入りました。森林にすむ6種類の生き物の捕食関係が、人間の活動によってある種類の生き物が減少したときに、どの生き物の個体数がどのように増減するか、という問題。
きっと私はこの中学校には受からないなぁと思いましたが、ふと気がついたのは、多様性というのは、「いろいろな関わりがある」ということなんだ、ということ。
食べたり食べられたり、与えたり与えられたり、奪ったり奪われたり、実ったり実らせたり、死んだり死なせたり、腐ったり腐らせたり、分解したり分解させたり・・・。
そういう、いろんな関係が、いろんな生き物の間に生まれていて、Aという生き物はBという生き物に食べられるけれども、Cという生き物を食べていて、CはDに何かを与えていて、DはEに何かを奪われて、EはAを食べている・・・みたいな。多様な生き物が存在し、多様な関係を生み出して、その関わりが循環を生み出していることが、多様性なんだな、たぶん。
だから、一見いろいろあるようだけど、関わりが稀薄で、循環が生まれない環境は、実は「多様性」に乏しいのではないか(多様性を育む資源には恵まれているかもしれないけど)。
たぶん、これは文化の多様性を考える上で、とても大事なことだろうと思うなぁ。

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